「お試し温知会」へようこそ
温知会は、ほぼ毎月、第3土曜日の18時から研究会(月例会)を、お茶の水の湯島聖堂で開いています。ここでは、『傷寒論』などの古典の音読、生薬解説、処方解説、自由演題(日常臨床に関するさまざまな事柄、症例報告、臨床研究、医史学研究)など、漢方医学に関する研究を幅広く発表したり、講義を行ったりしています。
ただ、現在はコロナ禍の影響を受け、ネット温知会というかたちで、YouTubeでの配信となっています。
このページでは、会員の方以外にもその活動を知っていただき、月例会の内容の一部をご覧いただくために、これまでに放映されたネット温知会から、いくつかをご紹介します。
YouTubeのアドレスをクリックしてご視聴ください。
『宋板傷寒論』音読 1条~21条
担当 是澤初美(2021.1.16放映)
温知会では、古典の素読を伝統として行っております。これまでに『傷寒論』『金匱要略』を何度も読み、時々は註釈入りのテキストを使用し、再び原点に戻る、というということを繰り返してきました。現在のテキストは『宋板傷寒論』です。今回の講師は是澤先生です。
生薬解説 補気薬「人参・黄耆・白朮・甘草等」
担当 庄司良文(2021.1.16放映)
漢方薬は生薬によって構成されています。その意味で、生薬の知識は漢方医学の学習に欠かせません。温知会では、2009年より系統的な生薬講義を行っております。この講義は、生薬を専門とする講師陣によって行われており、古典や江戸時代の知識に加えて、中医学の分類や薬効を解説します。今回は庄司先生による補気薬です。
生薬解説 安神薬「竜骨・牡蠣・朱砂・磁石」
担当 粂川義雄(2021.5.21放映)
生薬の系統講義を行うこのシリーズでは、生薬を専門とする講師陣が担当します。今回のテーマは安神薬で、ベテランの粂川先生に、竜骨・牡蠣など繁用される安神薬のほか、広範な知識をつけていただくため、あまり見ることのない朱砂や磁石なども解説していただきました。
処方解説 「清熱補血湯」
担当 矢数芳英(2020.10.17放映)
毎回行われている処方解説の中から、矢数芳英先生の清熱補血湯の講義をご紹介します。この処方は医療用漢方製剤には存在せず、煎剤で使用することになりますが、煎剤は本来の漢方薬の形であり、その力がどれほど大きいかということも、この講義からは学べます。特に治療に難渋した口内炎の症例は、とても参考になります。
自由演題 在宅漢方シリーズ「扶正培本を旨とする」
担当 山口竜司(2021.2.20放映)
自由演題は、各演者に自由にテーマを設定してもらい、お得意分野について話していただいたり、トピックスを紹介していただいたり、多彩な時間です。今回は、大阪で「在宅漢方」という分野を開拓された山口先生のお話です。このテーマはシリーズで、今回のテーマは、在宅医療において「扶正培本」がいかに大事かということをテーマにお話しいただきました。
自由演題 症例検討「悪夢の症例」
担当 安井廣迪(2021.6.19放映)
ここでの自由演題の担当は安井先生です。「夜中に怖い夢をみて飛び起きてしまう患者さん」に対し、竹筎温胆湯エキスと酸棗仁湯エキスで「温胆湯加酸棗仁黄連」を作り、治療した症例を紹介されています。ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」のシステム1とシステム2の考え方を取り入れたユニークな解説を聞くことが出来ます。