仙頭正四郎先生が『症例でわかる東洋医学「読体術」8つの体質と漢方薬活用』(令和5年1月)を農文協より発刊されました。
【著者 仙頭正四郎先生より】
陰陽・虚実の概念を気・熱・血・津液の概念と重ね合わせて8タイプの体質に分類し、外見、症状、なり易い疾患の特徴について触れ、養生法、適不適の食材、適合する漢方薬などに言及しています。
1998年小学館の初版、2005年農文協版の改訂書以来ここ数年絶版となっていたものを、内容を整理し、実症例、漢方薬一覧を追加して再構成しました。
症例分析の中で東洋医学的な診断法や病態分析の視点など実践的な記述と共に、気・熱・血・津液の概念や生体機能における役割などを症例と関連させて個別に解説し、東洋医学の基礎概念の理解に役立つ構成としました。
体質判別のためのチェック表を問診票に見立て、漢方診療の簡便な診断ツールとして日常診療に活用できます(表計算ソフトに組み込んでおくと簡単にレーダ図として表示できます)。
巻末の全エキス製剤の体質別適合一覧は、問診票での体質鑑別結果と照らし合わせることで、適合する漢方薬を選択するツールとし役立てて戴けます。
昨年発刊した『究めるエキス漢方大全』は全力投球の漢方診療の内容となりましたが、各章冒頭に登場する症例分析で用いているツールが「読体術」で、その具体的な手段や考え方を本書で紹介したことになります。
簡易な入門や漢方薬活用には本書、些細な症例分析と漢方辞書として『究めるエキス漢方大全』、基礎理論と本格的に向き合うには『標準東洋医学』(金原)という位置づけで2冊〜3冊合わせて、活用して戴けると幸甚に存じます。